2021.04.09 生きているだけで素晴らしい 難病の妹からあなたへ
生きているだけで素晴らしい 難病の妹からあなたへ
作者:松本淳子
絵:みしまゆかり
発行者:瓜谷鋼延
発行所:株式会社文芸社
印刷所:株式会社暁印刷
ジャンル:絵本
ISBN:978-4-286-22057-4
紹介
ゆうちゃんは6歳の時に「ニーマン・ピック病」と診断されました。一人でできることが少なくなっても、ゆうちゃんはとても大切なことを教えてくれました。
人はみんな、できること、できないことがあり、一人一人違います。そして、本当はみんな生きているだけで素晴らしい存在です。生産性や同一性を求められることの多い社会の中で、私たちが見失いがちなことを、この本が教えてくれます。
作者 松本淳子さんのコメント(推敲)
絵本の子どもたちの言葉は、養護学校の平田先生が書かれた「学級だより」から、できるだけそのまま引用させていただきました。先生の存在がなければ、本書はおろか妹の楽しい学校生活もなかったでしょう。先生に出逢えたことは家族にとって大きな幸せでした。
絵本の対象は小学校高学年となっていますが、成長するにつれて考え方も変わると思いますので、年齢にとらわれず、その子の成長に合わせて話を広げてみてください。
私も反抗期の頃は、心中複雑で、周りの人の妹への接し方に偽善を感じることもありました。しかし今は、私自身の中にある偽善を自覚しています。私が現在、ANT-Hiroshimaやニーマン・ピック病患者家族会に所属したり、様々な子どもの助けになりたいと思うのも、妹への罪ほろぼしのような思いや、自分が満足するための優しさからだと気づいています。でもたとえ偽善だとしても、何もしないより行動した方がいい!今はそう思っています。
本編最後のページは、共感する子もいれば「悪い事言ったかな」と反省する子、「ふーん」とまだ理解できていない子など、様々な大人社会の縮図と思って書きました。
子どもの心は本当に素直です。どう変えられるかは大人次第なのでしょう。
私も両親も、ようやく長年の胸のつかえが取れた気がします。ご一読頂ければ幸いです。